二階堂重人の「初心者のための株デイトレ講座」

この記事では、デイトレ歴20年以上の私、二階堂重人が「株デイトレの知識」を初心者の方にもわかりやすく解説します。
「そもそも、デイトレって何?」ということから、手法、エントリーパターン、儲けるコツまで書きます。
デイトレを始める上で必要な知識はたくさんあるので、少しずつ書いていこうと思います(毎日1項目)。
「デイトレの本を読まなくても、この記事を読めばデイトレのことがしっかりわかる」といった内容にしていきます。

目次

そもそも、デイトレって何?

デイトレとは、当日のうちに決済するトレードのことです。
株を買ったその日のうちに売ります。
たとえば、9時にある株を買って、数分後にその株を売る、といったトレードです。
株を買ってから数秒後に売る、というトレードもあります。
ちなみに、デイトレをするトレーダーのことを、「デイトレーダー」といいます。

デイトレーダーは儲かるの?

答えは、儲かる人もいれば、儲からない人もいる、です。
デイトレで継続して勝てるようになるのは、全体の約5パーセントだといわれています。20人に1人しか継続して勝てるようにならない。かなり厳しい数字です。
継続して勝つためには、トレード技術が必要です。

毎日、稼げるの?

毎日のようにデイトレで稼いでいる人はいます。
私もその1人です。
とくに、スキャルピングという、わずかな値幅を狙うトレードをしている人は、ほぼ毎日稼いでいる人が多いようです。
「勝つ方法」を見つけてしまえば、あとは、毎日同じようなことをしているだけで、お金が増えていきます。

パソコンがないとトレードできないの?

「トレーダーは複数のモニターを見ながらトレードしている」といったイメージを持っている人もいることでしょう。
たしかに、専業トレーダー(トレーダーだけで生計を立てている人)の多くは、複数のモニターを使ってトレードをしています。
私も6枚(台)のモニターを使っています。

では、パソコンがないとデイトレはできないのでしょうか?
そんなことはありません。
最近はスマホだけでデイトレをしている人もたくさんいるようです。
中には、スマホで毎日のように稼いでいるデイトレーダーさんもいます。

証券会社を選ぶ基準は?

株は証券会社を通して取引所で買い付けます。たとえば、「任天堂の株を買いたい」と思ったら、証券会社に買い注文を出して東京証券取引所で買い付けるわけです。
そのため、株取引をするには、まず証券会社で「取引口座」を開設しなければなりません。
証券会社はたくさんあるので、初心者の方はどこにすればよいのか迷ってしまうことでしょう。
デイトレで使う証券会社を選ぶポイントは以下の2つ。
①売買手数料の安さ
②ツールの充実度

株の売買には売買手数料がかかります。当然、安いほうがいいです。
各証券会社のホームページに「売買手数料」のページがあります。手数料の金額を確認し、自分の投資スタイルで手数料が安い証券会社で口座を開設しましょう。
また、証券会社ではさまざまなツールを提供しています。投資やトレードする上で大変便利です。ツールの充実度も重要なポイントになります。ただ、はじめのうちは「どのようなツールがよいのか」ということがわからないので、売買手数料で選んでもいいでしょう。

売買手数料を安くするにはどうすればいいの?

デイトレは1日数回、数十回のトレードをします。
人によっては100回を超えます。
そのため、1日の売買手数料がかなりの金額になってしまうことがあります。
当然、売買手数料は安いほうがいいわけです。
安ければ安いほどいい。

売買手数料を安くするには、「1日限定の信用取引」を使うといいですよ。
信用取引については後で説明します。
ここでは、「1日限定の信用取引」のことだけを説明します。
「1日限定の信用取引」とは、翌日以降に持ち越さない信用取引のことです。

松井証券の『一日信用取引』
楽天証券の『いちにち信用』
SBI証券の『日計り信用』
マネックス証券の『ワンデイ信用』
auカブコム証券の『デイトレ信用』

なんと、売買手数料が無料!
※証券会社によっては「信用取引の金利や貸株料」がかかります。
これを使わない手はないと思います。
初心者の方が売買手数料を払って、デイトレで利益を出すのは大変難しいことです。
なので、「1日限定の信用取引」を利用して売買にかかるコストを抑えましょう。

デイトレの資金はいくら必要なの?

デイトレは10万円くらいの資金でもできます。
ただし、買える銘柄がかぎられてしまいます。
また、売買手数料を安く抑えるために信用取引を利用したいので、30万円以上の資金は費用だと思います(ネット証券で信用取引をするには30万円以上の委託保証金が必要)。
できれば、50万円は用意したいところです。100万円あれば十分です。上手になるまでは、多くても100万円程度の資金でトレードしましょう。

デイトレではどのくらいの値幅を狙うの?

これはトレーダーによって違います。
小さな値幅を狙う人もいれば、もっと大きな値幅を狙う人もいます。
それぞれの「トレードスタイル」や「トレード戦略」によって違うわけです。
私の場合は、小さな値幅も狙うし、大きな値幅も狙います。

1円の値幅でも利益が出るよ

株価が1円上がっただけでも、利益を出すことができます。
たとえば、株価300円で買って、301円で売る。
これでも利益を出すことができます。
ただし、売買手数料が安いということが条件です。

デイトレではどのような銘柄をトレードすればいいの?

デイトレで狙う銘柄は、基本的に「値動き大きい銘柄」です。
デイトレは1日というかぎられた時間の中で取引を完結させます。
そのため、値動きが小さいと、利益を出しにくいといえます。
値動きが大きければ、利益を出しやすいし、また、大きな利益を得られる可能性があります。
銘柄の探し方については別な記事でまとめたいと思います。そちらを参考にしてください。

ちなみに、私の場合、リバウンド狙い手法ではトレードする銘柄を株価の価格帯で絞り込んでいます。
銘柄選びの条件は以下の記事で詳しく解説しています。
デイトレ銘柄の選び方(3つ条件)【二階堂重人執筆】

値動きが大きい銘柄はどのようにして探すの?

先にも述べた通り、デイトレでは基本的に値動きの大きい銘柄を狙います。
そのほうが利益を出しやすいからです。

では、値動きが大きい銘柄はどのようにして探せばいいのでしょうか?
これは「騰落率ランキング」を使えば簡単に探せます。
騰落率ランキングとはその名の通り、騰落率の高い順に並んだランキングです。
値上がり率ランキングは、取引当日に上昇率が高かった株のランキングです。上昇率が高かった順に上から並んでいます。
値下がり率ランキングは、取引当日に下落率が高かった株のランキングです。下落率が高かった順に上から並んでいます。

騰落率ランキングは、各証券会社が提供している株価情報のページで見ることができます。

画像出所:松井証券 QUICK情報(※私は20年以上、利用しています)

インフルエンサーの推奨銘柄で儲けられる?

X(旧:ツイッター)のTLを見ていると、特定の銘柄を詳しく紹介しているポストを目にすることがあります。
インフルエンサーが推奨銘柄として取り上げていることもあります。
なんだか、儲かりそうなので、買いたくなりますよね。

このような銘柄を買えば儲けられるのでしょうか?
答えは、儲かることもあれば、損をすることもある、です。
フォロワー数の多いアカウントで取り上げられると、一時的に株価が急騰することもあります。
その急騰に上手く乗れれば儲けられるでしょう。
しかし、上昇がずっと続くとはかぎりません。
場合によっては、数分で上昇が終わってしまうこともあります。
そのため、誰かの推奨銘柄を買うのであれば、予め「逃げ場」を決めておく必要があります。
「買った後に、株価がここまで下がったら売る」
というように、決めておきましょう。

ロスカットって何?

株を買えば必ず儲けられるというわけではありません。株価が思惑とは逆方向に動いて損失が発生することもあります。
株を決済していないときの(計算上の)損失は「含み損」といいます。
含み損が出ている状態で株を放置しておくと、その含み損が拡大してしまう恐れがあります。「まだ大丈夫」と思っているうちに含み損が大きくなってしまったということもよくあります。

ロスカットで損失を限定する

では含み損が出たときはどのようにすればよいのでしょうか。
わずかな金額のときはそのままにしてもいいでしょう。金額がある程度の大きさになったら「ロスカット」をしましょう。
ロスカットとは、含み損が出た株を売って、損失を確定させることです。「損切り」ともいいます。
ロスカットをすることで、損失を限定することができます。
ロスカットの目安は、トレードのスタイル、狙う値幅、トレーダーの資金量などによって異なるので、一概にいえません。
1~3回のトレードで取り戻せる金額でロスカットしましょう。

入る前にロスカットのタイミングを決めておく

デイトレで負けていう人のほとんどは、入った後にロスカットのタイミングを決めています。下手な人になると、ある程度の含み損が出てから、慌ててロスカットのタイミングを決めています。
逆に、デイトレで勝っている人のほとんどは、入る前にロスカットのタイミングを決めています。
私の場合、入る前にざっくりとですが、「この辺りでロスカットする」と決めています。後は状況次第で、調整します。

ロスカットするときは何も考えない

ロスカットするときにあれこれ考えてしまうことが多いです。とくに金額のことを考えてしまいます。
たとえば、「ここでロスカットしたら20万円損してしまう。20万円あれば、家族で旅行に行けた」とというようなことを考えてしまいます。
ロスカットしたときの金額を考えてしまうと、どうしてもロスカットしづらくなってしまいます。
そのため、ロスカットするときは金額の事を考えないようにしましょう。
決めたタイミングがきたら、何も考えずにロスカットする。

デイトレで稼げるようになるかどうかは、ロスカットにかかっている

デイトレではロスカットがとても大切です。
「デイトレで稼げるようになるかどうかは、ロスカットにかかっている」といってもいいでしょう。

稼いでいないデイトレーダーは皆、ロスカットがきちんとできません。
だから、コツコツと利益を積み上げても、たった1回のトレードで大きな損失を出してしまい、コツコツ積み上げた利益をすべて失ってしまう。
いわゆる、「コツコツドカン」といわれる典型的な負けパターンです。

稼いでいるデイトレーダーは皆、ロスカットがきちんとできます。
そして、稼いでいるデイトレーダーは皆、「デイトレで一番大切なことはロスカットをきちんとすること」というはずです。
それくらい大切なのです。
「小さな損失に留めておけば、いつでも取り戻せる」ということをわかっているのです。

この記事を読んでいるデイトレ初心者の方は、必ず、ロスカットをしてください。

デイトレのメリットを上手く活かそう!

デイトレのメリットを上手く活かす、ということが大切です。
デイトレのメリットとは何でしょうか。
いくつかあるのですが、主なメリットは以下の3つです。

メリット① 利益が出そうなところだけでトレードすることが可能
メリット② 決めた値段でのロスカットできる
メリット③ 短期間で資金を回転させ、複利で資産を増やせる

デイトレのメリット① 利益が出そうなところだけでトレードすることが可能

1つ目のメリットは、「利益が出そうなところだけでトレードすることが可能」です。
たとえば、「上昇しているところだけを買いで取り、下落しているところだけをカラ売りで取る、といったトレードが可能」ということです。
スイングトレードや短期トレードの場合、頻繁に買ったり売ったりできないので、買いで入って株価が下落していても少しの間は持ち続けなくてはなりません。
しかし、デイトレの場合は、上昇しているところだけを買いで取るということが可能です。

デイトレのメリット② 決めた値段でロスカットできる

2つ目のメリットは、「決めた値段でロスカットできる」です。
スイングトレードの場合、買った株がギャップダウンしてしまい、決めた値段でロスカットできない、ということがあります。
たとえば、「株価が400円まで下がったらロスカットしよう」と決めていても、ギャップダウンして380円から取引が始まった場合、決めた値段でロスカットできないわけです。
デイトレの場合も特別売り気配になって決めた値段でロスカットできないこともあります。しかし、ほとんどの場合は決めた値段でロスカットできます。

デイトレのメリット③ 短期間で資金を回転させ、複利で資産を増やせる

3つ目のメリットは、「短期間で資金を回転させ、複利で資産を増やせる」です。
スイングトレードの場合、1回のトレードにかかるスパンが数日から数週間になります。資金の回転が遅いわけです。
しかし、デイトレードの場合、1回のトレードにかかるのは10分から数時間です。場合によっては10秒程度ということもあります。
資金の回転が速いため、そのぶん、複利で資産を早く増やせます。
もちろん、トレードが上手であればということですが。

信用取引って何?

信用取引とは、現金や金融商品を委託保証金として預け、証券会社から売買に必要な現金や株式を借りて行なう取引のことです。
主な特徴は以下の2つです。

①委託保証金の約3倍の金額の購入資金や株式を借りて取引ができる
②信用売り建て(カラ売り)ができる

たとえば、委託保証金として100万円を預けると、その3倍である300万円の取引ができます。
また、カラ売りができます。
カラ売りについては後で詳しく解説しますが、簡単にいうと、株を借りて、それを市場で売り、後から買い戻して返済するといった取引です。
売った値段よりも安い値段で買い戻すと、利益が出ます。
「株価が下がると儲かる」というわけです。

信用取引については、トレーダーさんや投資家さんの意見が大きく分かれます。
「信用取引は危ないから、利用しないほうがいい」
「信用取引はメリットが大きいので、利用したほうがいい」
初心者の方は、「どうすればいいの?」と考え込んでしまうことでしょう。

信用取引を利用するかどうかは、投資家・トレーダーの自由です。
利用しなくてもよいわけです。

私としては、利用したほうがいいと思います。
デメリットもありますが、それを上回るメリットがあるからです。
先にも述べたように、デイトレの場合、「1日限定の信用取引」を利用することで、売買手数料が無料になります。
これは大きなメリットです。
検討するべきでしょう。

信用取引はどうすれば始められるの?

信用取引を利用するには、「信用取引口座」が必要です。
現物だけの取引をする口座とは別です。
まずは、普通の取引口座を開設した後、信用取引口座の開設を申請します。
申請方法は各証券会社で確認してください。

信用取引については以下の記事で詳しく解説しています。
信用取引って何? 初心者の方にもわかりやすく解説【二階堂重人執筆】
信用取引は利用したほうがよいのか?【二階堂重人執筆】

チャートの見方を覚えよう

株の情報を集めていると「チャート(株価チャート)」という言葉をよく目にします。
チャートとは、株価の動きを表したグラフのことです。種類は複数あるのですが、主に使われているのは「ローソク足チャート」と呼ばれているものです(以下、チャートと略します)。

画像出所:拙著『眠れなくなるほど面白い 図解 株式投資の話』81ページ上段

ローソクに似た形の線(足)で株価の動きを表します。具体的には1本のローソク足で以下の4つの値段を表します。
始値……(ローソク足で表す期間内で)最初についた値段
高値……最も高い値段
安値……最も安い値段
終値……最後についた値段

ローソク足は大きく分けると以下の2種類があります。「陽線」と「陰線」です。以下のルールによって描き分けられます。
陽線……始値に対して、終値の値段が高かった場合
陰線……始値に対して、終値の値段が低かった場合

この違いはチャートを見る上でとても大切なことなので、よく理解しておきましょう。

画像出所:拙著『眠れなくなるほど面白い 図解 株式投資の話』81ページ下段

デイトレで使うチャートは?

デイトレで使うチャートは主に以下の3つです。

日足チャート
5分足チャート
1分足チャート

日足チャートで「株価の大きな流れ」を捉え、5分足チャートや1分足チャートで「買うタイミング」を見極める、という使い方をしている人が多いようです。
私もそうです。
このほかに、3分足チャートやTickチャートを使う人もいます。
Tickチャートとは、約定するごとに点をつけていくチャートのことです。
使っている人は少数だと思います。

板を使って、株価や注文状況を確認しよう!

「現在の株価がいくらなのか」
「持株の株価」や「狙っている株の株価」は気になります。
現在の株価は「板」を見ることでわかります。
板とは、「取引所に出ている注文を表示したボード」のことです。
値段(気配値)だけでなく、注文状況も見ることができます。
板は証券会社に口座を開設していれば、ほとんどの場合、無料で見ることができます。

板の見方を覚えよう!

各証券会社のツールによって、板のデザインは異なりますが、表示されている内容は同じです。
中央の数字……値段(気配値)
左側の数字……売り注文の株数(売り気配株数)
右側の数字……買い注文の株数(買い気配株数)

中央に書かれている数字は値段です。
左側の数字は売り注文の株数です。たとえば、下の図では、「501円に5000株の売り注文」が出ています。
右側の数字は買い注文の株数です。たとえば、下の図では、「500円に1万5000株の買い注文」が出ています。
板は大変便利なツールなので、見方を覚えて、使うようにしましょう。
取引時間中だけでなく、取引前も朝8時から表示されるので、出勤前に確認することもできます。

株の情報はどこで入手すればよいの?

トレードをするにあたって欠かせないのが、「株の情報」です。
では、株の情報はどこで入手すればよいのでしょうか。
デイトレーダーがよく使っているのは以下の4つです。

X(旧:ツイッター)
株探
東京証券取引所の適時開示情報
日本経済新聞

それぞれの使い方については別な記事で解説したいと思います。解説が長くなってしまうので。そちらを参考にしてください。

X(旧:ツイッター)

Xでの、投資家やトレーダーのアカウントは、リアルタイムの情報を得るのに適しています。
また、「投資家やトレーダーの人気が高い銘柄」や「株価が思惑で動いている銘柄」を探すのに適しています。

株探

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドが提供・運営するサイトです。
企業情報、ニュース、決算、テーマなど、投資やトレードに必要な情報が満載。
「好決算、好材料、市場で注目されているテーマによって、株価が大きく上がりそうな銘柄」を探すのに適しています。

自分のトレードに必要な情報を得る

これらすべてを使わなければ株式投資・トレードで儲けられない、というわけではありません。
とりあえず、一通り使ってみて、自分のトレードスタイルに合うものを使い続けるようにしましょう。
おすすめは「株探」です。投資家やトレーダーに必要な情報がよくまとまっています。
適時開示情報も有益な情報が多いのですが、初心者の方には少し難しいように思えます。

材料を分析する

デイトレードでは材料が出た銘柄をトレードすることが多くなります。
材料によって株価が大きく動くことがあるからです。
材料が出たとき、その材料を分析しましょう。

どのようなことを分析すればよいのか?

これは、「材料によって、株価がどのくらい動くのか」です。

「現在の株価よりも上がりそうかどうか」
でもいいでしょう。

たとえば、材料が出て、株価が500円から530円まで上がったとします。
材料を分析して、「ここから、さらに上がりそうかどうか」を見極めます。
「この材料によって業績が大きく上振れしそうなので、株価はまだ上がるだろう」
「この材料は業績にそれほど影響がなさそうなので、株価はもう上がらないだろう」
というように、見極めるわけです。

デイトレの準備(前日)

デイトレでは準備が大切です。
前日からいろいろと進めましょう。

前日にやっておきたいことは以下の通りです。

①値動きの大きかった銘柄をチェックする
②「資金が流入したセクターや銘柄」「資金が流出したセクターや銘柄」をチェックする
③大引け後に出た材料をチェックする
④決算をチェックする
⑤PTSをチェックする
⑥デイトレ候補銘柄を決める
⑦デイトレ候補銘柄をツール(株価ボード)に登録する
⑧デイトレ候補銘柄のチャートをチェックする

①値動きの大きかった銘柄をチェックする

まずは、その日、値動きが大きかった銘柄について調べましょう。
「値動きが大きくなった理由」を調べます。
ザラ場(取引時間中)で調べてわかっているのであれば、調べる必要はありません。

騰落率ランキングを見て、どんどん調べていきましょう。
調べるときは、株探を使うと便利ですよ。
個別銘柄の「ニュース」の欄に記事があります。

理由もなしに大きく動くこともよくあるので、調べてわからなければ、飛ばしましょう。
深く調べても時間の無駄になることが多いので。

②「資金が流入したセクターや銘柄」「資金が流出したセクターや銘柄」をチェックする

次に、その日、「資金が流入したセクターや銘柄」「資金が流出したセクターや銘柄」を調べましょう。
たとえば、「半導体関連銘柄から資金が流出した」「電力のセクターに資金が流入した」というように。
ざっくりとでかまいません。
「資金がどこに流入したか?」「資金がどこから流出したか?」ということは、騰落率ランキングを見るとわかります。
値上がり率ランキングにランクインしている銘柄に共通しているセクターは?
値下がり率ランキングにランクインしている銘柄に共通しているセクターは?

ということを意識しながら見ていきましょう。

③大引け後に出た材料をチェックする

次は、大引け後に出た「株価材料(※以下、材料と略します)」をチェックします。
材料とは、「株価に影響を与えるようなニュース」のことです。
たとえば、「新しい製品の販売を開始する」「新サービスの提供を始める」「ある企業と業務提携をする」などのニュースです。

材料はどこで入手できるの?

材料を入手するには、さまざまな方法があります。
おすすめは以下の2つです。

日本取引所グループ(JPX)の「適時開示情報閲覧サービス」
②株探の「会社開示情報」

どちらも内容は同じです。情報はPDF形式で表示されます。

開示情報のすべてを見る必要はありません。
なぜなら、株価にさほど影響のない情報も多いからです。さほど影響のない情報をいくら分析したところで、株で儲けることはできません。その分の時間を株価に大きく影響を与えそうな情報の分析に当てましょう。
まずは、適時情報の一覧で「タイトル」だけを見ていきましょう。そして、「これは株価に大きな影響を与えるかもしれない」という情報だけPDFを開き、書かれている内容に目を通していきましょう。

④決算をチェックする

次は、企業の決算内容をチェックしましょう。
すべての企業の決算をチェックすると、かなり時間がかかってしまいます。
監視銘柄の決算と注目されている銘柄の決算だけでいいでしょう。

私は、株探の「★本日のサプライズ決算 超速報」という記事を読んでいます。
決算の内容が事前の予想と大きく異なった銘柄を取り上げています。
ここに掲載された銘柄で、「株価が大きく動きそう」と思う銘柄だけ、決算内容をチェックします。
サプライズというだけあって、翌日に株価が大きく動くことが多いです。
たしか、「プレミアム専用(有料会員)」の記事だったと思います。
この記事のおかげで、決算をチェックする時間が大幅に短縮できるので、トレードで稼げるようになったら、利用してみるのもいいでしょう。

⑤PTSをチェックする

次は、PTSをチェックしましょう。
PTSとは、「私設取引システム」のことです。
証券取引所を経由せずに、株式を売買できます。
PTSで株価が大きく動いている銘柄をチェックします。

私は、この作業でも「株探」を使っています。
「PTSランキング」があるので、それでチェックしています。
ナイトタイムセッション 株価上昇率ランキング
ナイトタイムセッション 株価下落率ランキング
ナイトタイムセッション 出来高ランキング

当日の終値に対して変動率の大きい銘柄は、何か材料が出ていないかをチェックしましょう。

⑥デイトレ候補銘柄を決める

「①」から「⑤」までの作業が終わったら、デイトレの銘柄を決めます。
この段階では「候補」です。
実際にトレードするかどうかは、当日の値動き次第になります。
値動きが小さかったり、よくなければ、トレードはしません。
なので、ざっくりと、でいいでしょう。

⑦デイトレ候補銘柄をツール(株価ボード)に登録する

「⑥」で候補銘柄を決めたら、監視銘柄としてツールに登録します。
株価ボードのようなツールです。
証券会社が提供していると思います。
無料と有料のツールがありますが、はじめは無料のものでいいでしょう。

⑧デイトレ候補銘柄のチャートをチェックする

監視銘柄として株価ボードに登録したら、チャートをチェックしておきましょう。
まずは、日足チャートを見ます。
「上昇傾向なのか、下落傾向なのか、レンジなのか?」ということをチェックします。
はじめのうちは、「直近で株価が上向きになっているのか、下向きになっているのか、横ばいなのか?」でもかまいません。

また、「節目」や「窓」などの位置をチェックしましょう。
節目とは、多くのトレーダーが意識している株価水準のことです。
株価は節目のところで止まったり、反発したりすることがあります。
窓とは、ローソク足と次のローソク足との間にできた空間のことです。
節目と同様に、窓の下限や上限で株価が止まったり、反発したりすることがあります。

チェックしたら、チャート上にラインを引いておくといいでしょう。

以上で、前日の準備は終わりです。

デイトレの準備(当日)

次は、デイトレ当日の準備についてです。
寄り付き前にやっておきたいことです。

①海外市場の結果をチェックする
②材料が出ていないかをチェックする
③監視銘柄の気配値をチェックする
④「寄り前気配値ランキング」をチェックする
⑤寄り付き直後に狙う銘柄を決める

①海外市場の結果をチェックする

まずは、海外の株式市場の結果をチェックしましょう。
主に、米国の株価指数をチェックします。
国内の株式市場の動きは、米国の株式市場の影響を大きく受けます。
米国の株式相場が上昇傾向であれば、国内の株式相場も上昇傾向になりやすい。米国の株式相場が下落傾向であれば国内の株式相場も下落傾向になりやすい。
このようなことから、米国の株価指数の動きも把握していたほうがよいわけです。

米国の代表的な株価指数は以下の3つです。
NYダウ……米国のダウ・ジョーンズ社が発表している米国株式市場を代表する株価指数
ナスダック総合指数……米国ナスダック市場に上場する全銘柄で構成する時価総額加重平均型の指数
S&P500……ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している株価指数

前日比でプラスだったのか、マイナスだったのか?
日足は上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、レンジなのか?
どのセクターが買われて、どのセクターが売られたのか?

このようなことをチェックしましょう。
初心者のうちは、「プラスだったのか、マイナスだったのか?」だけでもかまいません。

あと、為替(米ドル円)についても、余裕があればチェックしておきましょう。

②材料が出ていないかをチェックする

前日の夜から当日の朝にかけて、新たな材料が出ていないか、チェックしましょう。

③監視銘柄の気配値をチェックする

8時になると、板が稼働して、気配値が表示されます。
板で監視銘柄の気配値をチェックしましょう。
前日の終値に対して、上がっているか、下がっているか?
それとも、変わらずか?
この気配値を考慮して、トレード戦略を立てます。

④「寄り前気配値ランキング」をチェックする

「寄り前気配値ランキング」とは、その名の通り、寄り付き前の気配値のランキングです。
前日の終値に対して、気配値の変動率が大きい順に掲載されています。
騰落率ランキングと同様、値上がり率ランキングと値下がり率があります。
どちらもチェックしましょう。

私は、松井証券のQUICK情報にある「寄り前気配 値上り率ランキング 前場」「寄り前気配 値下り率ランキング 前場」を見ます。
寄り前気配値ランキングは8時30分から稼働します。

寄り付き直前に気配値が変わってしまうこともよくあるので、注意してください。
毎日見ていると、変わってしまう銘柄がわかるようになります。

寄り前気配 値上り率ランキング 前場
寄り前気配 値下り率ランキング 前場

画像出所:松井証券 QUICK情報

⑤寄り付き直後に狙う銘柄を決める

「①」から「④」までの情報を踏まえて、寄り付き直後に狙う銘柄を決めます。
どの銘柄を狙うのか?
トレード戦略も同時に考えましょう。
寄り付きから入るのか?
寄り付き下がったら入るのか?
寄り付きから上がったら入るのか?

値動きのパターンをいくつか想定して、入るタイミングを考えましょう。

寄り付き直後のデイトレ

まずは、監視銘柄や「寄り前 気配値ランキング」で見つけた銘柄に、寄り付きから入るかどうかを決めましょう。

私の場合、『最新版 これから始める株デイトレード』(日本文芸社、二階堂重人著)で紹介した「ギャップダウンした銘柄のリバウンド獲り」でよく入ります。
得意です。
このエントリーパターンで20年以上、続けて稼いでいます。

寄り付き後は、「騰落率ランキング」を頻繁に見て、デイトレに適した銘柄を探します。
デイトレに適した銘柄があったら、監視銘柄として株価ボードに登録しておきます。
当日、値動きの大きい銘柄を優先してトレードしましょう。

寄り付きからの30分間はデイトレで稼ぎやすい時間

寄り付きの9時から9時30分までの間は、デイトレで大きく稼げる時間です。
なぜなら、この時間は1日のうちで、株価がもっとも大きく動きやすい時間帯だからです。
値動きの大きい銘柄が多い。
この時間帯にいくら稼げるかで、その日の儲けが決まってしまう、といってもよいくらいです。
ただ、この時間帯は、株価の方向性が決まっていない銘柄が多く、また、銘柄によって値動きがかなり激しいので、初心者の方は無理にトレードしなくてもいいでしょう。
ただ、トレードしなくても、値動きの大きい銘柄の板や歩み値、チャートを見ておきましょう。
そうすれば、速い値動きに慣れてきます。

前場のデイトレード

東京証券取引所の取引時間は前場(ぜんば)と後場(ごば)に分かれています。
前場は9時から11時30分までです。
寄り付きから30分くらい経過すると、株価の方向性が見えてきます。
方向性を見極めた上で戦略を立てて、トレードしましょう。

騰落率ランキングでデイトレに適した銘柄を常に探す

取引時間中は、頻繁に騰落率ランキングを見るようにしましょう。
デイトレに適した銘柄を常に探します。
適した銘柄があれば、株価ボードに登録して、監視銘柄にします。
そして、いいタイミングがあれば、トレードしましょう。

取引時間中は大きな資金が流入しているセクターを把握する

取引時間中は「どのセクターに大きな資金が流入しているか」を把握しましょう。
なぜなら、大きな資金が流入しているセクターの銘柄は、株価が上がりやすくなるからです。

資金が流入しているセクターの調べ方はいくつかあります。
デイトレードのコツ① 資金が流入しているセクターを狙う」の記事で紹介している「東証業種別株価指数ランキングを使う方法」がおすすめです。
松井証券のQUICK情報に「ランキング 東証業種別株価指数」というページがあります。
これは、33業種の騰落率ランキングです。
このランキングを見れば、「資金の流入しているセクター」がすぐにわかります。
ランキング上位の業種に資金が流入しています。

取引時間中は株価指数の動きを把握する

取引時間中は株価指数の動きも把握しましょう。
なぜなら、株価指数の動きに連動する銘柄が多いからです。
以下の株価指数の動きを見ながらトレードしましょう。

日経平均株価
日経先物
東証グロース市場250指数

買いで入る場合は、なるべく、株価指数が上昇しているときにしましょう。
下落しているときやレンジのときは見送ります。

後場のデイトレード

現在、後場は12時30分から15時までです。
2024年11月5日予定の次期売買システム(arrowhead4.0)稼働にあわせて、取引時間の延長がされることになりました。
15時までだったのが、15時30分までになります。

後場のデイトレードも、前場と同じようにやります。
やることはほとんど変わりません。

騰落率ランキングで値動きの大きい銘柄を探す
大きな資金が流入しているセクターを把握する
株価指数の動きを把握する

前場で値動きの大きかった銘柄が後場も大きく動くとはかぎりません。
値動きが小さくなってしまうこともあります。
「値動きが小さい」と感じたら、別の銘柄を狙うようにしましょう。
値動きが小さい銘柄を無理してトレードしないこと。
時間の無駄です。
騰落率ランキングで値動きの大きい銘柄を探しましょう。
後場になって急騰しはじめる銘柄もあります。

株式市場で注目されているテーマがわかれば、儲かる株もわかる

「社会の変化を捉えるか。難しそうだな。調べる時間もないし」
このように思った方も多いことでしょう。たしかに、初心者の方には少し難しいかもしれません。また、そこまで時間がないという方も多いはず。
でも、大丈夫です。もっと簡単な方法があります。
株式市場で注目されている「テーマ」を把握しましょう。株式市場ではその時々によって、注目を集めているテーマがあります。
たとえば、「生成AI」の普及によって半導体の需要が急激に高まると、株式市場では「半導体」が注目を集めるテーマになります。
テーマに絡んだ株は「買いたいという人が多くなり、株価が上がりやすくなります。

注目度の高いテーマの調べ方

では、注目度の高いテーマはどのようにすればわかるのでしょうか。
調べ方にはさまざまな方法がありますが、最も簡単なのは「株探」を利用する方法です。
株探のトップページの下のほうに「人気テーマのランキング」があります。これを見れば人気テーマがすぐにわかるわけです。

画像出所:株探

「各テーマのリンク」をクリックすれば、そのテーマに関連した銘柄が一覧で表示されます。
「人気テーマのランキング」から「多くの人に買われそうなテーマ」を選び、そのテーマに絡んだ銘柄を狙っていくのも一つの手です。

※拙著『眠れなくなるほど面白い 図解 株式投資の話』より

取引開始から最初の30分間がデイトレーダーにとっての「稼ぎ時」

取引開始から最初の約30分間(9時から9時半まで)はとても大切な時間です。
なぜなら、1日のうちで最も株価が動きやすい時間だからです。
銘柄選びのところでも述べましたが、デイトレは値動きの大きいほうが稼ぎやすいといえます。
取引開始から最初の30分間は株価が大きく動きやすいので、デイトレーダーにとっては「稼ぎ時」になります。

しかし、初心者にとっては、難しい時間帯でもあります。
銘柄によっては、値動きが速い、荒いからです。
急騰したと思ったら急落。そして、また急騰。
このようなこともよくあります。
私が初心者の頃は、現在の株価を把握するだけでやっと。
買うタイミングを冷静に判断するのは無理でした。

また、この時間帯は株価の方向感が定まっていない銘柄が多いので、上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかが判断できない。
そのため、うまく流れに乗れないことが多くなります。

最初のうちは、無理にトレードをしないで、値動きを見ているだけでいいと思います。
少しずつ慣れてきます。

デイトレードのスタイル

次は、トレードスタイルについて解説します。
デイトレードにはさまざまなスタイルがあります。
主なスタイルは以下の通りです。

飛び乗り買い(飛びつき買い)
押し目買い
リバウンド狙い(リバウンド取り)

では、それぞれのスタイルについて簡単に解説していきます。

飛び乗り買い(飛びつき買い)

飛び乗りとは、株価の上昇していくときに買うスタイルです。
上昇に飛び乗る(飛びつく)ように買うので、飛び乗り(飛びつき)といいます。
主に、急騰していくときに買います。
上昇が続けば、買ってすぐに含み益が出ます。
上昇の流れに乗るので、大きな値幅を取りやすいスタイルです。
しかし、「買った直後に株価が急落する」ということもよくあります。
こうなると、すぐに含み損が出てしまいます。
ロスカットがきちんとできればいいのですが、きちんとできないと、大きな損失になってしまうことがあります。
とくに、初心者の方は急に含み損が出ると思考が停止してしまうので、ロスカットができなくなり、大きな含み損を抱えやすくなります。

押し目買い

「押し目」とは、「上昇トレンドの一時的な下げ」のことです。
押し目買いは、「上昇トレンドの一時的な下げ」で買うトレードスタイルです。
上昇トレンドが続くことを想定して買うわけです。
思惑通り、下げが一時的であり、その後、株価が上昇していけば(上昇トレンドが続けば)含み益が出ます。
大きな値幅を取れることもあります、

上昇に飛びつかず、下げを待ってから買うので、「高値掴み」になることはありません。
しかし、買った後、下げが続いてしまうこともあります。
下げが一時的かどうかは、後にならないとわかりません。
ここが難しいところです。

リバウンド狙い(リバウンド取り)

リバウンド狙いとはその名の通り、株価が下がった後のリバウンドを狙うスタイルです。
たとえば、株価が500円から490円まで下がってきたときに買って、数円分の値幅を取るというトレードです。この例では値幅が10円なので、1~5円の値幅を狙ったほうがいいでしょう。
狙う値幅は状況によって違います。1円の場合もあれば、数十円の場合もあります。
リバウンド狙いについては以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方は読んでみてください。
リバウンド狙いとは?
リバウンド狙いにこだわる理由

自分の稼ぎやすいトレードスタイルを知っておく

いくつかのトレードスタイルを使えるようになったら、トレードスタイルごとの収支を調べましょう。
そして、どのスタイルが稼ぎやすいのか、自分でよく知っておくことが大切です。
私の場合は以下の通りです。

【デイトレで稼ぎやすいトレードスタイルのランキング】
第1位……リバウンド狙い
第2位……波乗り
第3位……押し目買い

※私の個人的な意見によるランキングです。

自分の稼ぎやすいトレードスタイルがわかったら、なるべくそのスタイルをメインにしてトレードしていきましょう。
もちろん、相場全体の動きや個別銘柄の動きに対してトレードスタイルがあっている、ということが前提です。

【練習方法①】100株単位のトレード

デイトレで始めからすぐに稼げるようになる人はほとんどいません。
稀にいますが、そういった人は「センスがある人」です。
トレードのセンスがある。
「稼げる銘柄」や「稼げるタイミング」が肌感覚でわかる。

ほとんどの人は負けます。
なかなか勝てるようになりません。

そのため、最初のうちは「練習感覚」でトレードをしましょう。
100株単位でトレードする。
そして、稼げるようになったら、少しずつ株数を増やしていきます。

200株、300株、500株、1000株、2000株……というように。

デイトレで買った株は翌日以降に持ち越さない

デイトレで買った株は翌日以降に持ち越さない
先にも述べた通り、デイトレはその日のうちに決済するトレードのことです。
どんなに長い時間持っても、大引けまでです。
買った後に株価が下がると、翌日以降に持ち越す人がいます。
私もよくやりました。
ロスカットができなくて、翌日以降に持ち越す。
デイトレのつもりで買ったのに、1ヵ月以上持ち越したこともありました。
持ち越してうまくいけばいいのですが、場合によっては損失が拡大してしまいます。
含み損が出ているということは、株価の流れが下向きになっているということです。
その流れが変わらなければ、含み損は減らないし、増える可能性が高い。
先にも述べた通り、デイトレでは大きな損失に繋がるようなことをしないことが大切です。
基本的には、翌日以降に持ち越さないようにしましょう。

ただし、含み益が出ていて、「利を伸ばしたい」という場合は持ち越してもかまいません。
含み益が出ているということは、株価の流れが上向きになっているということです。
その流れが変わらなければ、含み益は減らないし、増える可能性が高い。
持ち越して、より大きな利益を狙ってもいいでしょう。
その場合は、「ポジションの半分を利確しておく」「翌日以降、株価が建値まで下がる前に利確する」というトレードをしましょう。

ナンピンはしたほうがいいの?

株の情報を集めていると「ナンピン」という言葉を目にすることがあります。
ナンピン(買い)とは、買った銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増しをすることです。
買い増しすることで平均購入単価を下げることができます。
たとえば、最初に500円で1000株買ったとします。
480円まで下がったときに、もう1000株買い増ししたとします。
このようなトレードがナンピン買い(またはナンピン買い下がり)です。
買値の平均値は490円。
480円の時点から、株価が10円上がれば、含み損はなくなります。
もし、ナンピンをしていなければ、480円の時点から、株価が20円上がらなければ、含み損はなくなりません。
このようにナンピンをすることで、買値の平均値を下げることができるわけです。

ナンピンはおすすめしない

ナンピンはうまくやると、買値の平均値を下げることができるので、有利に進めることができます。
では、ナンピンをしている投資家・トレーダーは儲けている人が多いのか?
そんなことはありません。
残念ながら、大きな損失を出してしまった人もたくさんいます。
ナンピンをしたせいで退場になってしまった人もたくさん見てきました。
退場とは、資金が大きく減った、またはなくなってしまい、トレードや投資をやめることです。株式市場から退場するということです。

はじめから「ナンピンをする」というトレード戦略であれば問題ありません。
株価が下がっていくところを計画的にナンピンで狙っていく。
しかし、ほとんどの人は、「買った後に株価が下がってしまったから」という理由でナンピンをします。
しかも、人によっては、株価が下がり続ける局面でむきになってナンピンをし続けます。
投資家・トレーダーの間では「無限ナンピン」といわれています。
これでうまくいけばいいのですが、株価がさらに下がり続けたり、下げ止まっても戻らない場合は大きな含み損を抱えてしまうことになります。
ここまでくると、もう手の打ちようがありません。
ときどき、無限ナンピンでどうにもならなくなり、相談してくる人がいますが、何もアドバイスできることがないのです。

デイトレではナンピンをしないほうがいいでしょう。
買った後に株価が下がってしまったら、ロスカットで対処する。
そして、気持ちを切り替えて、次のチャンスを待つ。
こうすれば、大きな損失を出してしまうことがほとんどなくなります。
もし、ナンピンをするのであれば、きちんとルールを作り、そのルールを守るようにしましょう。

ちなみに、私はナンピンをほとんどしません。ロスカットで対処しています。
前に書いたナンピンについての記事がありますので、興味がある方は読んでください。
ナンピンで儲けるための「7つのルール」(二階堂重人著)

デイトレの典型的な負けパターン コツコツドカン

デイトレにおける典型的な負けパターンはいくつかあるのですが、その1つは「コツコツドカン」です。
小さな利益をコツコツと積み上げていく。
「順調に稼げている」と思った矢先、ドカンと大きな負けを喰らう。
コツコツと積み上げた利益を、たった1回のトレードでドカンと吹っ飛ばす。
私もよくやりました。
何回やったのか、覚えていません。
そのくらいやりました。
同じように、何回も繰り返している方がいることでしょう。

コツコツドカンになる原因は2つ。
①ロスカットが遅い
②ナンピン買い下がりをしてしまう

一番の原因はロスカットの遅れです。
ロスカットが遅くて含み損が拡大するから、ドカンになるわけです。
稀に、売り気配になってロスカットが遅れてしまうこともありますが、ほとんどは、ロスカットできるタイミングがあったのにやらなかったことが原因です。

もう1つの原因は、ナンピン買い下がりをしたことです。
これもロスカットが遅いことに重なる部分があります。
ナンピン買い下がりをすると、なんとか助かることや、利益が出ることもありますが、失敗すると、とんでもない損失額になります。ドカンです。

原因がわかっているので、これらを避ければいいのです。

ロスカットを早くする。
ナンピン買い下がりをしない。

たったこれだけのことです。

スキャルピングって何?

スキャルピングとは、わずかな値幅を取るトレードのことです。英語の「スカル(薄皮を剥ぐ)」が語源になっているようです。
よく間違えられるのが、「時間」です。スキャルピングは「ごく短い時間でのトレード」だと思っている人がいます。
たしかに、買ってから売るまでの時間が数秒や数十秒ということもよくあります。
しかし、スキャルピングに時間は関係ありません。
買ってから売るまでの間が1時間でも2時間でも、わずかな値幅を狙うのであれば、そのトレードはスキャルピングということになります。
関係があるのは「値幅」です。繰り返しになりますが、わずかな値幅を狙うのがスキャルピングです。時間は関係ありません。

スキャルピングではどのくらいの値幅を取るの?

一般的には「数ティック」です。
ティックとは、「呼値」のことです。呼値とは証券取引所での取引で示される売り買いの値段の「きざみ」のこと。
実際、どのくらいの値幅を狙うのかは、トレーダーによって異なります。
私の場合、株価1000円未満の銘柄であれば、1円から5円の値幅を狙います。だいたい、このくらいの値幅をイメージしておいてください。
たとえば、「株価500円で買って、501円とか502円で売る」といったトレードです。
「こんな値幅で利益が出るの?」と思った人もいることでしょう。
出ます。
今は売買手数料が安いので、わずかな値幅でも利益が出ます。

二階堂重人執筆のデイトレード本 紹介

『最新版 株デイトレードで毎日を給料日にする!』(すばる舎)
『株デイトレードのすごコツ80』(すばる舎)
『最新版 これから始める株デイトレード』(日本文芸社)

noteでは二階堂重人が使っているデイトレ手法を紹介しています。興味がある方は、ぜひどうぞ。

 

私が使っている「リバウンド狙い手法」です。
『リバウンド狙い手法 1分足編(デイトレ・スキャルピング)』はこちら
私が約20年かけて作り上げたリバウンド狙い手法について書いてます。
リバウンド狙いなら、どのような相場状況でも稼ぐチャンスがあります。
スキャルピングのやり方を知りたい方におすすめの記事です。