最初のトレード攻略法を見つけるまで

『トレーダーになろうと思ったきっかけ』の記事の続編です。
株式投資を始めるところから、投資顧問会社の会員になったところ、最初のトレード攻略法を見つけたところまでを書いています。

最初の頃はトレードというよりも株式投資という感覚でした。
最初に買った銘柄は明治製菓(現:明治ホールディングス)。
四季報でいろいろな銘柄について調べ、この銘柄を選びました。
この取引では少しだけ利益が出ました。
その後、短期の売買を繰り返していきます。
まだ、「自分は長期投資をメインにした投資家としてやっていくのか、それとも、短期売買をメインにしたトレーダーとしてやっていくのか」を決めていませんでした。
性格的には短期売買のほうが合っていそうなので、とりあえずは短期売買の方向で進めました。
短期の売買といっても、ある程度の期間でやや大きな値幅を狙っていました。
当時は売買手数料がとても高かったので、ある程度の値幅がないと利益が出なかったからです。
売買の結果はあまりよくなかったです。
ロスカットができなかったので、コツコツドカンを繰り返していました。

投資顧問会社(投資助言会社)の会員になって情報を得る

トレードでなかなか儲けられず、少し悩んでいました。
そんなとき、業界紙に掲載されていた投資顧問会社の広告が目にとまりました。
広告には直近の実績が書かれていました。
どれもすごい値上がり率。
それを見て、
「いい情報があれば、株トレードで儲けられるはず」
と思いました。
パチプロの頃に儲けられたのは「いい情報」があったからです。
攻略法にしろ、出目表にしろ、いい情報を入手できたから儲けられた。
なので、情報の大切さはよくわかっていました。
株のトレードも「いい情報があれば儲けられる」と思ったわけです。

すぐに、大きな枠で広告を出していた投資顧問会社に入会しました。
最初に10万円くらい振り込んだと思います。
最初に勧められた銘柄は三菱化工機(6331)。
この取引は数日間で値幅十数円分程度の利益が出ました。
「これはすごい! 将来、数十億円儲けられそう」
こんなことを思って、興奮していました。
しかし、その後は利益が出ませんでした。

あるとき、この投資顧問会社の広告を見たら、自分が勧められたのとは違う銘柄の実績が掲載されていました。
そのことを電話で担当者に聞くと、「ランクが上の会員に提供した銘柄情報です。そちらの会員になりませんか?」と言われました。
この時点で、「ここでは儲けられないな」と思いました。
なぜなら、20代の前半に同じような経験をしていたからです。

私は20代の前半、競馬にハマりました。
給料のほとんどを競馬に突っ込んでいました。
そして、あるとき、同じ職場にいた競馬仲間の1人に誘われて、「大手の競馬情報会社」の会員になりました。
情報料は1開催(8日間)で約20万円。
2人で半分ずつ出しました。
でも、まったく儲かりませんでした。
「極秘情報」「厩舎情報」「馬主情報」などを謳い文句にしていたので、かなり高い的中率で大きく儲けられると思っていたのですが……大損でした。
自分が予想したのと変わらない的中率・回収率。
がっかりしました。
そして、数週間が過ぎたとき、競馬雑誌を読んでいたら、この会社の広告がありました。
そこには、自分たちが勧められたレースが的中実績として掲載されていました。
しかし、馬券の買い目は自分たちが勧められたのとは違っていました。
自分たちが勧められた買い目は外れ。
広告に掲載されていた買い目は当たり。
同じレースなのに違う情報が提供されていた。
これは明らかにおかしい。
このことを電話で担当者に聞くと、「ランクが上の会員に提供した銘柄情報です。そちらの会員になりませんか?」と言われました。
もちろん、断りました。
直感で、「ランクが上の会員になっても儲けられないだろう」と思ったからです。
こうやってカモからお金を巻き上げる手口なのだろう。
そう思ったわけです。
この件で、競馬情報会社の情報で儲けることを諦めました。
ちなみに、のちにある媒体で「ランクが上の会員になっても儲けられない」ということが暴露されていました。

投資顧問会社の話に戻りますが、こういった「競馬情報会社での経験」があったので、「ここ(投資顧問会社)では儲けられないな」と思ったわけです。
ただ、競馬情報会社とは違って、儲けられる情報を提供している会社もあるとは思います。
しかし、その数は少ないと思うので、その業者を見つけるのが大変です。
見つけられるかどうかわからないし、見つけられたとしてもそれまでにかなりの時間がかかるはず。
なので、投資顧問会社の情報で儲けることを諦めました。
そして、投資顧問会社からの情報だけでなく、他人からの情報で儲けることを諦めました。
「自力で儲けられるようになってやる!」
そう思ったわけです。

最初の攻略法を見つける

「自力で儲けられるようになってやる!」
と思ったのですが、そう簡単には儲けられるようになりませんでした。
まぁ、当然ですね。
でも、「攻略法があれば、儲けられるようになる」と思っていました。
成功カギは攻略法にある、と。
そう思ったのは、パチプロとして大きく儲けた経験があったからです。
先にも述べた通り、パチプロの頃に儲けられたのは「攻略法」があったからです。
なので、株のトレードも「攻略法があれば儲けられる」と思ったわけです。
しかし、そう簡単に攻略法を手にできるはずがありません。
一応、インターネットでも探してみましたが、ありませんでした。

「1日でも早く攻略法を手に入れて大きく儲けたい」
と思いながらトレードを続けていくうちに、株式相場は「ITバブル(インターネット・バブル)」になりました。
インターネット関連企業の銘柄だけでなく、ちょっとでもインターネットに関係している銘柄であれば、株価が大きく上がりました。
当時のトレードスタイルはスイング。
株価が上昇傾向の銘柄に飛び乗り(追随買い)か押し目買いで入っていました。
株価が上昇している数日間だけ買いポジションを持って、利益を狙いました。

そして、この頃、最初の攻略法を見つけました。
きっかけは、スイングで買った株がストップ高になったことです。
地場証券に電話をかけて、利益確定の売り注文を出そうとしました。
当時は、電話か証券会社のカウンターで売買注文を出していました。
証券会社の営業担当者に持ち株の売り注文を出してもらおうとしたのですが、
「●●(銘柄名)はストップ高になってます。買い注文に対して売り注文が極端に少ないので、明日も上がりそうですよ」
というようなことを言われました。
どういった意味なのかよくわからなかったのですが、とりあえず、売り注文を出さないことにしました。
すると、翌日は買い気配で上がっていき、またストップ高になりました。
翌々日も買い気配で上がっていき、ストップ高に近いところで寄り付きました。
ここで持ち株を利食い売り。
数日間でかなりの利益が出ました。
このとき、閃きました。
「ストップ高になっていて、買い注文に対して売り注文が極端に少ない銘柄を買えれば、儲けられるのでは」
翌日、証券会社の営業担当者に「ストップ高になっている銘柄は買えますか?」と聞いたところ、「比例配分で当たれば買えます」というような答えが返ってきました。
試しに、その日、ストップ高になっている銘柄の中から1つを選んで買い注文を出しました。
もちろん、買い注文に対して売り注文が極端に少ない銘柄です。
すると、たしか、1000株(単元株数)だけ買えました。
翌日、買い気配で上がっていき、ストップ高にはり付きました。
売り注文を出しておき、大引けで利食いした記憶があります。
買った翌日に売って、数万円も儲かったわけです。

この日から、ザラ場ではひたすらストップ高になっている銘柄を探しました。
ネットで探すだけでなく、証券会社の営業担当者にも探してもらいました。
この攻略法でけっこう稼げました。

現在、「ストップ高の比例配分狙い」は攻略法といえるほどのトレード法ではありません。
しかし、当時は、オーバーナイトで利益を狙う個人投資家が少なく、また、今とは比例配分のシステムが違ったので、攻略法といえるほどのトレード法でした。
地場証券で注文を出せば高い確率で買えました。

そして、この攻略法で儲けた利益でリスクを取り、飛び乗りや押し目買いでより大きな利益を狙いました。

今回はここまでです。

次は、デイトレを始めるところから、今でも使っている攻略法「リバウンド狙い手法」を作るところまでを書きたいと思います。

 

 

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